私はこのホームページで無料法律相談を掲示板形式で行っている。
しかし、弁護士が無料で法律事務を行うことの是非は一応問題となる。
基本的には、無料で法律事務を行うことには消極というのが私の意見である。
なぜなら、我々弁護士が研鑽して積み重ねてきた知識は、いわば商品であり、その商品を無料で提供すると言うことは、責任を持った良質な法律事務の提供という根幹を揺るがしかねないからだ。これは原則である。
しかし、弁護士にとってプロボノ活動が奨励され、現に、弁護士会レベルでの無料法律相談会や当番弁護士活動は、むしろ義務的な無償奉仕として拡大してゆくべきだという意見が多数説であることは言を待たない。これも賛成である。
そうしてみると、原則として有料の法律事務を提供しつつ、出来る限り無償の法律事務も社会奉仕的な意味合いで行ってゆくべきであるというのが、弁護士のあるべき姿であろう。
こういった観点から、私は無料法律相談を行っているのである。
本ホームページにおける無料法律相談は、現時点では私自身に対する顧客誘引的な要素はない。実際に、このホームページ上での相談者から個別に依頼を受けることはない(メールによる個別相談は来ないし来ても受け付けない。また、どうやって調べたか電話での問い合わせは月に何件かあるが、それでも受任には至らないものが殆どである)。
では、何故に法律相談を受けているのかというと、それは、弁護士に対する市民からのアクセスをしやすくするためのプロボノ活動の一種と位置づけている。
そもそもホームページやメールで法律相談を受け付けても、それだけで解決になることは多くないはずだ。資料などを拝見しつつ、じっくりと時間をかけて面談して、個別事情を解明してゆかなければ、本当に解決の糸口は見つからない。
だから、私の法律相談掲示板だけで解決しようと試みるのは、私の本意ではないし、危険ですらある。やはり真摯な法律相談は、お金を払った上で、責任持った回答を弁護士にさせるべきだ。
そこで私のホームページでの法律相談は、次のような意義があると自負している。
1)法律相談センターという相談場所が各地に存在していることの告知
2)法律相談センターの存在を知っていても、そもそもそこに行くべきかどうか
法律問題になるのかどうかの前提的疑問に対する誘導
このような観点で運用している。
したがって、弁護士諸兄なら、私の掲示板上での回答を幾つかご覧になればおわかりになると思うが、極めて一般論的な回答しかしていないし、そのような回答しかできようもない。また、法律相談センターに来てもおそらく担当弁護士から一蹴されるような相談についても、それなりに回答するようにつとめている。
本来であれば弁護士会レベルで行わなければならないことのような気がするが、今の弁護士会の議論先行で結論が先に進まない体質はこの先も変わらないだろうから、私が先鞭を付けてみた。
さて、「弁護士のための広告のススメ」で相当業界内にハッパをかけた今、「先生のHPは広告規程施行前のフライングでは?」という意見が来るか、それとも、「私も先生にならってリーガルサービスを充実したい」という意見が来るか、大変に楽しみなところである。諸説紛々になれば、してやったり、といったところである。