全日本プロレス 〜 サービスのこころ
プロレスのなんたるかもまったくわからないのに、なぜかリングサイドの解説者席の真後ろで、なんだかパイプ椅子を投げつけて乱闘しているレスラーから逃げ回りつつ観戦している。素直に楽しい。
リングの上の試合ももちろん物珍しくてとっても面白いのだが、しかし会場の熱気にイマイチ乗り切れずにぼーっと眺めているのは、やっぱりリングの上よりも、解説者席の淡々とした面々であるとか、リングにかぶりつきながらも上手いことレスラーをよけつつ激写しているカメラマンの面々であるとか、この躯のどこからこんな嬌声が出てくるんだろうと思われる会場の女の子だとか、なんだか私には全く意味不明でオタクな解説を声高に交わしている後ろの男3人だとか、ゴングってこうやって鳴るんだあって思ってみるとか、もうそういう会場の脇役たちにこそ目がいってしまうのだ。
これは職業病と言うべきか、それとも単に私のシニカルな性格のなせる技か、プロレスでもコンサートでも、或いは銀座や六本木のナイトクラブでも、上等なホテルでも、素敵なバーでも、いわゆるサービスを提供する場に臨場すると、どうやってこんな楽しい雰囲気をプロデュースするんだろうというバックオフィス的な部分に、すこぶる興味が向いてしまう。
同じサービス業として、サービスをプロデュースする方法論が業界それぞれにいろいろあって実に感心する。
我々の業界のサービスはSMクラブの女王様系サービスなわけだが(真面目な話である。いずれ、その心を語ってみるとしよう)、プロレスのサービスは原初的興奮のサービス、ナイトクラブは恋愛ごっこのサービス、上等なホテルは非日常的贅沢のサービス、素敵なバーはくつろぎのサービス、いろんなサービスがあるけれども、そのベクトルの向かう先には、みんなに幸せになってもらおうという意気があることには違いない。素晴らしいことだと思う。
プロの提供するサービスは、どれも半端無く粋で素敵だ。
さて、明日から再び私は素敵なサービスを提供できるだろうか。
うん、今日のおかげさまで、きっと。


