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報道のイジメ


 イジメが社会問題だ。

 学校でのイジメ問題だけでなく、会社でのパワーハラスメント、地域社会での近隣とのあつれきなど、今に始まった問題ではないにせよ、イジメが話題にならない日はないくらいマスコミの報道が沸騰している。

 しかし、そのマスコミ自身によるイジメは取り上げられていない。

 例えば、イジメについて散々取り上げて報道をしているある番組。ある番組の司会者。
 その番組が、有名お菓子メーカーの製造過程のあり方について「廃業しろ!」などと、散々糾弾した。しかし、糾弾は的外れであった。そして、的外れを謝罪することもなく、「愛着もあり、テレビで大変きついことも言ったが、やっと新生して店頭に並ぶことになった。頑張ってください。応援したいよね。」としみじみ語ってその会社の商品を食した。

 マスコミの言いたい放題は、イジメの構造そのものではないか。

 自信を持って報道し批判したのであればそれを通せばいいのに、簡単に撤回して笑って済ませようとするところがイジメと同じだ。もともと根拠のない批判だっただけに、撤回するのも躊躇がない。しかも、けなしたけれど、褒めて番組内で商品宣伝もしたんだからチャラだろう、という厚顔無恥が見え隠れする。
 

 最近、報道バラエティ番組が多い。

 単なる報道番組では視聴率が取れないのだろう。だから、バラエティ色豊かに、お笑いタレントや色物専門家を招いてコメンテーターに仕立て上げる。しかし、コメントを含めて全体として報道番組ではなくバラエティ番組にシフトしている感じがする。だから、イジメるようなコメントが多い。コメントしている方としては、「ツッコミ」を入れている感覚なのかもしれない。バラエティ番組だと考えれば、「ツッコミ」は不可欠だ。
 しかし、報道番組での「ツッコミ」は、イジメになるということを充分承知しなくてはならない。配信する側は、バラエティにウェイトをおいていて、視聴者は分かってくれると思っていても、視聴者側は報道番組だという意識があって、分かってくれるはずのツッコミも真面目に受け取ってしまう。そして無責任な世論が形成される。

 人をけなすこと、事件を糾弾すること、大げさに世間の注目を集めること、それは容易だ。
 しかし、根拠なしに糾弾すること、必要以上に人をけなすこと、面白おかしく事件を広めること、大げさに世間を扇動すること、いいかげんやめにしないか。メディアによるイジメにしか見えない。

 このままでいくと、あなたが、こないだ、赤信号を無視して横断歩道渡ったことが事件として緊急報道されるようになるにちがいない。そして、あなたが、司会者に、「赤信号渡るなんて、法律守らないなんて、人間ヤメロ!」とイジメられるのだ。